2020/08/17

【弁護士監修】未払残業代の時効は?これまでの2年から当面は3年に延長

執筆者 編集部
残業代関連

「未払残業代の時効はいつ?」と思う方もいることでしょう。未払残業代を請求しないままにしていると、時効が完成してしまい請求できなくなってしまいます。
未払残業代の時効は、2020年3月31日までに発生したものについては「2年」です。4月1日以降に発生した未払残業代は、労働基準法が改正となり「3年」となりました。
この記事では、未払残業代の時効、時効が決まった経緯、時効の起算点、および時効を止める方法について詳しく解説していきます。

【監修】鎧橋総合法律事務所 早野述久 弁護士(第一東京弁護士会)

監修者プロフィール
・株式会社日本リーガルネットワーク取締役
監修者執筆歴
・ケーススタディで学ぶ債権法改正、株主代表訴訟とD&O保険ほか

1. 未払残業代の時効は2年から3年に延長


未払残業代の時効がこれまでの2年から、当面3年に延長されました。
残業をしたら残業代が支払われなければならないことは労働基準法に定められています。もし未払いの残業代がある場合には、従業員は会社に請求することができます。
ただし、未払残業代の請求には時効があります。時効とは、未払残業代が発生してから、もう請求ができなくなるまでの期間のことです。
これまでは、未払残業代の時効は2年でしたが、2020年4月1日より3年に延長されました。しかし、3年前の未払残業代をいきなり請求できるようになったわけではありません。
2020年3月31日までに発生した未払残業代の時効に関しては2年のままだからです。
2020年4月1日以降に発生した未払残業代の時効は3年となっています。したがって、2020年4月1日の未払残業代は、2023年4月1日までの期間は請求できることになります。

2. 労働側は当初は5年を主張していた

未払残業代の時効延長は「当面」3年とされています。なぜ「当面」なのかといえば、厚生労働省の諮問機関である労働政策審議会において労働側は「5年」を主張していたからです。
今回の未払残業代の時効延長は民法の改正に合わせて行われ、お金をさかのぼって請求できる時効が「5年」となりました。したがって、労働側が主張した未払残業代請求の時効5年は、改正民法と整合性のある筋の通ったものといえます。
ところが、これに経営側が反対し「2年の維持」を主張しました。反対の理由は、表向きは「保存する記録が増える」というものです。
未払残業代は会社の中で1人でも発覚すれば、ほかの従業員の未払残業代も同時に発覚するといった場合が多くあります。時効が2年から5年になれば、万が一残業代の未払いがあった場合に会社が支払う金額が増大しかねないとの懸念も経営側にはあったとされます。
労使がどちらも譲らなかったため、原則は5年としつつ「当面は3年」とする折衷案が提示され、双方がそれを受け入れたとのことです。いつから5年にするかについては5年後に改めて検討することになっています。

3. 未払残業代請求の時効の起算点は?

先述した中で「未払残業代が発生した日」と簡単に触れました。ところで、未払残業代が発生した日、すなわち未払残業代の時効の起算点は正確にはいつになるのでしょうか?残業代が発生するのは「実際に残業をした日」となりますので、「未払残業代も同じなのでは」と思う方もいるでしょう。
しかし、未払残業代が発生するのは残業をした日ではありません。「残業代が未払いであること」は、給料が実際に振り込まれ、そこに残業代が含まれていなかったときに発生します。
したがって、未払残業代の時効の起算点は「給料日」となり、その翌日から1日目のカウントがスタートすることになります。

4. 時効を止めるための方法

未払残業代は会社に請求することができます。残業代を従業員に支払うことは、労働基準法で定められた会社の義務です。
しかし、「請求を忘れていた未払残業代の時効が目前に迫ってしまった」という場合にはどうすればよいのでしょうか?時効を止めるための方法があるのでしょうか?

4-1. 内容証明郵便を送れば時効は仮に止められる

時効を完全に止めるためには、労働審判に申し立てたり訴訟を提起したりすることが必要です。しかし、労働審判の申し立てや訴訟の提起には、タイムカードなど証拠の資料を集めなければならないため準備に時間がかかります。「時効の完成までにもう間に合わない」というケースもあるでしょう。
そのような場合には、時効を仮に止める方法があります。それは「未払残業代を払ってください」と会社に対して自分で請求することです。労働審判や訴訟などのように裁判所を通さなくても自分で請求しさえすれば、時効のカウントは6ヶ月間ストップします。
ただし、自分で請求する場合には「請求したこと」の証拠を残さなければなりません。請求の証拠を残すためには「内容証明郵便」を利用します。
内容証明郵便とは手紙を送る際、「誰から」「誰に」「いつ」「どのような内容の」手紙が送られたかを郵便局が証明してくれるものです。内容証明郵便を送る際に提出された手紙のコピーを郵便局が保存します。
内容証明郵便を送れば、未払残業代の時効を6ヶ月間止められます。その期間に労働審判などのための準備を入念に行いましょう。

5. まとめ

未払残業代の時効は、2020年3月31日までに発生したものについては2年、4月1日以降に発生したものは3年です。残業代の支払いは法律で定められた会社の義務です。未払残業代がある場合にはしっかりと請求しましょう。
ただし、「どうやって請求すればいいのかわからない」と思う方もいることでしょう。その場合には、労働問題に対して知識と経験を豊富に持つ弁護士に相談してみるのがよいでしょう。

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